義母の胸に、『栄養を入れるためのチューブを付ける手術をする』という説明を受けてから、病院からは2週間近く連絡はありませんでした。
その間私達は、きっと手術をして熱も下がり、後は転院の連絡が来るまで待っていればいいのだろう、と思っていました。
そして、病院の看護師さんから、『医師から病状説明があるので、突然ですが明日来ていただけませんか』と電話がありました。
夫の仕事が忙しく、たまたま私は休みだったので、今度は私が説明を聞きに行くことになりました。
看護師さんからは、『あまりいい話ではありません』と電話で言われてしまったので、どうしたんだろうと思いながら翌日病院へ行きました。
そこで医師から言われたのは、『栄養を入れるチューブの手術をしようと思っていたが、赤血球と血小板の数値が低下していて全身のコンディションも悪く、手術をする事で致命傷となる可能性が高いので手術は行えない』という内容でした。
熱が出ているから胸にチューブを入れる手術をすると言っていたのに、今度はそれすらもう出来ないなんて…
熱の方は37度台後半、時々39度近くになるそうなのですが、医師から、『熱自体は大した事ではなく、問題は血圧が下がってきたこと』と言われました。
どうやら、もはや転院とか栄養のチューブを開けるとかの状態ではなくなっているようです。
あとは義母の体力次第、というわけです。
骨髄異形成症候群という病気がわかってから、症状はどんどん進行していきあまり予後のいい病気ではないなとは思っていましたが、硬膜下血腫で入院してからはさらに悪化していき、退院も転院も出来なくなってしまうなんて。
医師の説明を受けている間、私はただ『はい』と話を聞くだけだったのですが、一つだけ聞きたいことがあったので最後に質問しました。
義母は痛がったり苦しがったりはしていないのか、ということです。
私は父を癌で亡くしていますが、最期は痛みでうめき苦しむ姿が脳裏に残っていたので、そうでなければいいなと思っていました。
先生は、『ゼィゼィと呼吸が苦しそうだったり痛みでもがいたり、そういう事はありません。安楽の状態で眠っているような感じです。呼び掛けには時々パチパチと目を動かすような状態です』と言っていました。
義母が痛みなどで苦しんでいる状態じゃないという事がわかり、それだけでも良かったです。
医師からの説明が終わり、看護師さんがナースステーションの前まで送ってくれたのですが、その時に病室の前で『通りすがりに見るだけなら…』と言って義母の姿を見せてくれました。
私達はどこの病室に入院しているかも知らない状態だったのですが、義母の病室はナースステーションから一番近い部屋でした。
看護師さんがカーテンを開けてくれ、私は病室の入り口から奥のベッド(4人部屋の窓側でした)に寝ている義母の姿を僅かに見せてもらったのですが、義母は横向きでこちらを向いて目を瞑っていて、寝ているようでした。
鼻に酸素のチューブが入った義母の顔はとても黄色くて、貧血の影響もあるのか血の気は全く感じませんでした。
そして、医師から説明があった2日後、病院からまた、『医師による説明があるので⚪︎日に来られますか』と電話がありました。
その日はたまたま夫が休みで家にいたので、今日これから行けますが…と聞いたところOKだったので、今度は夫が説明を聞きに行きました。
一昨日行ったばかりなのに今度はなんだろう、と思っていたら、どうやら病状説明という話ではなく、医師から言われたのは『容体が悪化した際に心臓マッサージなどの延命措置はしますか』という確認だったようです。
夫は、『延命はしません』と答えたそうです。
延命しても元気になるわけではないのに、ただただ無理やり引き伸ばすことはしたくない、というのが夫の気持ちだったので、それは仕方ないのかなと思います。
そして、ここまでの話が出たからと夫は聞いたそうです。
「あとどれくらい(の命)ですか」と。
先生が、『私の見立てで、ですが…』と言って答えてくれたのは『おそらく2週間くらい』との答えでした。
2週間…それは言葉通りなのか、気を遣って多目に言ってくれているのかわかりませんが、もうそこまで来てしまったという事になんとも言えない気持ちになりました。
あまりに短いので、それよりは長く……と願うばかりです。
お読みいただきありがとうございました♡
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